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シルエットの美しさに見褒れる

2023年11月14日

美しいジャケットが完成しました。MICHELE&shinの特徴である、上衿から袖先迄の流れる様なシルエットとシェイプの美しさは、やっとここまで来たかと、少し自慢げに完成のジャケットを見てた職人の顔が浮かびます。今回はそんな、シルエットの美しさが自慢なジャケットを紹介します。


MICHELE&shinが目指してきたもの。

MICHELE&shinがすっと目指してた事があります。それはMICHELE&shinのオリジナリティーと言う事です。

実はイタリアで、いつも言わてた事があります。「ミケーレ、日本ってスーツの販売数は世界一なんだってね。でも有名なスーツのブランドって無いよね?」と、全く悪気とかなく無邪気に言って来ます。確かにその通りだ。その当時から、何故か日本では挙ってイタリアブランドのスーツを着たいと思っていたし、イタリアのブランドは知っていました。しかし、イタリアで日本のスーツブランドを知ってる人は皆無の状態でした。今も間違いなくイタリアンジェントルマンで日本のスーツブランドを知ってる人は、ほぼいないでしょう。日本人として悔しい気持ちになってたのを覚えています。

海外で生活すると、外から日本が見える事で、日本に対して誇りを持つ気持ちが強くなります。こんなに素晴らしい国は、なかなかありません。人、文化、自然、全てがパーフェクトです。販売数が世界一の商品でも、イタリアジェントルは誰も知らない、その理由を少し書きたいと思います。


イタリアで認められるにはオリジナリティーが絶対条件

イタリアで認められるには、「オリジナリティー」が絶対条件です。これがないから認められないのです。物が良いとか、使い易いの高品質は当然ですが、認められるとなると、そこだけでなくオリジナリティーだが必要になってきます。

そこで初め、MICHELE&shinもこのオリジナリティーを勘違いし、派手な布生地や奇抜なデザインに逃げてました。スーツの形は数百年の歴史の中、もう完成されている形です。この中でオリジナリティーを出せって言われても・・・・。

なので恥ずかしい話ですが、初期の作品は、とてもとても人に見せれれる様な物ではありません。奇抜な布生地とデザインをスーツのオリジナリティーと勘違いして作ってました。なのでこの当時の作品はイタリア人は誰も着てくれなかったのを覚えています。


試行錯誤の中、光が見えた瞬間があった。

そんな勘違いの試行錯誤の中、光が見えた瞬間がありました。それは、運よくMICHELE&shinがナポリで作成しだした事でした。ナポリ近郊には、日本では紹介されていないが、地元では有名なサルトリアや、世界的に有名な既製品のスーツを作ってる工場がたくさんあります。どの工場やサルトリアも、秘密等なく、フレンドリーに向かえ入れてくれます。

ISAIAの工場です。

パニコにて。

今、ナポリ一番と言われる、ピロティが迎えてくれた写真です。

今は亡きダルクォーレ氏も、何の秘密もなく、教えてくれます。

そんな抜群な環境の中、教えてくれたのが「イタリアスーツのオリジナリティーとは?」でした。


イタリアで最も大切とされてる、歴史とオリジナリティとは?

しかし、イタリアと言う国は不思議な国です。何百年も経った歴史的な建物がずらっと並ぶ街並みを、最新にデザインされたフェラーリやランボルギーニ、アルファロメオが走り、独創的な家具が住む人を心地よくさせています。そんなイタリアと言うデザイン大国で、最も大切にされてるのが、歴史とオリジナリティです。間違いなく、この歴史とオリジナリティがなければ、イタリアでは認められません。この2つが本当に難しいのです。

そんな中、このオリジナリティを理解するきっかけを教えてくれたのが彼でした。

アントニオ モントニアです。日本では無名な存在ですが、僕ら地域では伝説のサルトリアです。今はもう引退してて、息子さんが、既製品の工場をやっています。

そんな彼から教えて貰ったのが、「スーツは数百年の期間を経て、完成されて来たデザインで、その中でも今だ、サルトリアは切磋琢磨しながら、新しい形を求めている。そこで、よく見て欲しいのが、全体のシルエットの美しさだよ。イタリアの建物は美しいだろう?それは、シンメトリー(左右対称)に必ずデザインしてるからだ。建物も洋服も全体のシルエットの美しさに秘密があるンんだよ。」と

少しずつ分かって来たような気がします。

奇抜な布生地や奇抜なデザインではなく、洗練された、MICHELE&shinでしか出来ないシルエットの美しさにヒントがあったのです。


このシルエットがMICHELE&shinが考える美しさです。

このシルエットなのです。

MICHELE&shinのオリジナリティです。上衿から袖にかけての流れる様な丸いラインがMICHELE&shinのオリジナリティなのです。

しかし、このラインが完成するまでには本当に時間がかかりました。新しいを生み出す試行錯誤は本当に楽しいの連続です。もの作りは本当に楽しい作業です。

今回はイタリアのオリジナリティの話をしました。まだまだMICHELE&shinの新しい美しさを求めて、試行錯誤していきます。奇抜でなく、歴史の中にヒントがある事が分かった事だけでも、成果です。