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フィレンツェにてオペラパーティーを開催しました

2026年06月30日

MICHELE & SHIN / OPERA PARTY

2026年夏、PITTI UOMO 110に合わせ、今回で4回目となるMICHELE & SHINのパーティーを開催しました。

パーティーの柱は、お客様へ日頃の感謝をお伝えすることです。今回のブログでは、MICHELE & SHINが目指す「一人ひとりのお客様が主役となるパーティー」に少しでも近づけたのかを、会場の雰囲気を交えながらお伝えしたいと思います。

MICHELE & SHINのお客様へ感謝を込めて

年に2回開催しているこのパーティーは、PITTI UOMOの時期に世界中から集まるMICHELE & SHINのお客様へ、日頃の感謝の気持ちをお伝えしたいという思いから開催しています。

今回のテーマは「オペラ」です。目の前で生のオペラを体験していただき、いつもとは違う非日常の空間の中で、上品で知的な感動を少しでも感じてもらいたい。そして、その余韻とともに会話を楽しんでもらえたら――そんな思いを込めて開催しました。

「本当に皆さん楽しんでくれるだろうか。」

そんな不安を抱えながら、オペラ歌手の歌声とともにパーティーは幕を開けました。

オペラパーティーにした理由と嫉妬

今回、オペラをテーマにした理由があります。それは、オペラとMICHELE & SHINのテーラードに強い親和性を感じているからです。

私はオペラが大好きで、劇場にもよく足を運びます。その中で、いつしかオペラに対して、憧れと嫉妬にも似た感情を抱くようになりました。

もちろん、オペラとテーラードは全く異なる分野です。しかし、オペラが持つ上品さや知性、そして人の感情を大きく揺さぶる表現には、MICHELE & SHINが目指すテーラードの理想と通じるものがあると感じるようになりました。そして同時に、まだ私たちはその域にはまったく到達できていない、と痛感するようにもなりました。

音楽という芸術と、テーラードという芸術。分野は違っても、人を感動させるという目的は同じだと思っています。

劇場であれほど人の感情を揺さぶるのであれば、目の前で聴く生のオペラはどれほどの感動を生み出すのだろう。きっとお客様にも最高の体験を味わっていただける。そんな思いから、今回のオペラパーティーを開催しました。

もう一つの理由

一見すると、オペラとテーラードはまったく異なる存在のように思えます。しかし、私にはこの二つには大きな共通点があるように感じています。

オペラは16世紀末のフィレンツェで生まれ、400年以上という長い歴史の中で、同じ演目が脈々と受け継がれてきました。しかし、歌い手、演出、指揮者、オーケストラ、そして会場が変わるだけで、まったく違う作品になります。

オペラは舞台芸術の最高峰の一つであり、品格という文脈においては、これを超える舞台芸術は現在存在しないのではないかと思っています。

そして紳士のテーラードもまた、17世紀頃に始まったといわれています。こちらも数百年という歴史を積み重ね、基本となるデザインやディテールは世界共通で受け継がれてきました。しかし、カッティング、縫製、生地、ディテール、シルエットなど、作り手の考え方によってまったく異なる一着になります。

まさに洋服における最高峰の伝統芸術であり、品格という点では、これを超える服は今なお存在しないのではないかと感じています。

どちらも基本を磨き続けながら、新しい感動を生み出すことを求められる世界です。現時点では、私の中ではオペラのほうが、はるか先を歩いている存在です。

私たちのテーラードが生み出す感動を、少しでもオペラの感動に近づけたい。そのために、劇場ではなく目の前で生のオペラを体験することで、新たな共通点や新しいヒントが見つかるのではないか。それも、今回このオペラパーティーを開催したもう一つの理由です。

MICHELE & SHINのパーティーは、一人ひとりが主役

今回のパーティーで最も悩んだのは、ブラックタイ(フォーマル)にするか、それともブラックタイオプショナル(セミフォーマル)にするかということでした。

ブラックタイとは、男性はタキシード、女性はイブニングドレスを基本とする最も格式の高いドレスコードの一つです。一方、ブラックタイオプショナルは、それを基本としながらも、ダークスーツなどでも参加できる、少し自由度の高いドレスコードです。

昔、参加したあるパーティーでのことです。ホテルのロビーで、パーティーが始まるまで出席者を待つ時間がありました。そのウェイティングの時間に、久しぶりに再会した友人とハグを交わし、会話を楽しんだ時間が、今思えば一番楽しかったように感じます。

その後、会場へ入り、席に着いて食事を楽しみました。料理も美味しく、お酒も楽しかった。それなのに、どこか心が躍らなかったのです。

それは、会場全体がどこか画一的で、一人ひとりが主役ではないように感じたからかもしれません。偶然の出会いや、心が動くような新しい感動も、そこにはありませんでした。

MICHELE & SHINが目指すパーティーは違います。世界中から来てくださるお客様一人ひとりが主役になり、心から楽しんでもらえるパーティーです。肩肘を張らず、それぞれが好きな装いでファッションと会話を楽しみ、新しい出会いが生まれる。それこそが、私たちなりの感謝の形です。

そのためには、自由度の高いブラックタイオプショナルというスタイルが必要だったのだと思っています。


ブラックタイオプショナルの自由度

実際に開催してみると、ブラックタイオプショナルの自由度は非常に高く、皆さんそれぞれが思い思いのスタイルで参加してくださいました。

Basemは、ロング丈のホワイトタキシードで、フランスらしいエレガントな着こなしを披露してくれました。Shaban Aliは、ハリソンズのブラウンスーツで登場。

彼はナポリの友人のサリトリア。ナポリらしい軽やかなスタイルで、ノータイにオールブラックを合わせた装いが印象的でした。

NsarioはMICHELE & SHINのホワイトタキシードで、MICHIELはブラックを基調としたスタイルで合わせてくれました。

フォーマルの解釈は人それぞれです。こうした個性豊かな着こなしを楽しんでくださる方々がいるからこそ、パーティーはより魅力的なものになるのだと思います。

VincenzoもMICHELE & SHINのタキシードで参加してくれました。そして、NABILとAzzawiもホワイトタキシードで華やかに会場を彩ってくれました。

写真をご覧いただくと分かるように、ブラックタイオプショナルは、参加者それぞれの解釈によって多様な着こなしができるドレスコードです。自由なスタイルを大切にするイタリアでも、最低限のマナーとして「襟付きのシャツとジャケット」は必要だと感じました。

歌姫から伝わるもの

実は今回は準備期間が短く、本来は男性テノールと女性ソプラノによるステージを予定していました。しかし、男性テノールが見つからず、女性ソプラノとピアニストによる演奏で開催することになりました。

それでも、目の前で聴く、極限まで鍛え抜かれた歌姫の歌声は、人の声という枠を超えた、まるで魂そのもののような迫力がありました。その歌声は会場全体を感動と興奮で包み込み、私自身も改めてオペラの持つ力を実感しました。

演奏が終わった後、彼女にこんな質問をしました。

「どうして何百年も前の作品を、今でも歌い続けられるのですか。」

すると彼女はこう答えてくれました。

「オペラは歌い続けることが大切なんです。歌い続けることで、昔から歌われている作品にも新しい発見がある。そして、また歌うんです。」

その言葉を聞いたとき、私はテーラードにも全く同じことが言えるのではないかと思いました。

作り続けることで、新しい発見がある。そして、その発見を次の一着へつなげる。また作り続ける。

今回、生のオペラを体験したことで、「作り続けること」の本当の意味を教えてもらったような気がします。これは、歌姫から私たちへの何より大きなメッセージでした。

最後に、歌姫のMaria、そしてピアニストのLuigi。本当に素晴らしいコンサートをありがとうございました。

実は、パーティーは21時30分に終了する予定でした。しかし、皆さんがおしゃべりに夢中になり、なかなか席を立とうとしませんでした。レストランのご厚意で少しだけ時間を延長していただき、最後まで楽しい時間を過ごすことができました。

レストランの皆様にも感謝しながら、「一人ひとりのお客様が主役のパーティー」を少しでも実現できたのではないかと思い、会場を後にしました。

次は1月。また皆様とお会いできることを楽しみにしています。今回以上に感謝の気持ちをお伝えできるパーティーをご用意して、お待ちしております。

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