カバートクロスはドレッシーに野性的に。
今回紹介するスーツはカノニコ21μカバートクロスで作ったスーツです。この出来が本当に良かったので少し自慢をさせて下さい。
カバートクロスの本当の魅力とは?
カノニコ21μカバートクロス。スーツ生地にしてはかなり厚手の布生地で、元々はキツネ狩りなど狩猟用に使われた布生地を、現代風に味付けを施し甦えらせたという、なかなかの布生地です。キツネ狩りなどしたこともないですが、茂みの中に隠れて、ひたすら狩りをするらしく、そんな過酷な使用に耐えうる強度と撥水制を備え織られたと、どこかのブログに書いてました。(笑)
しかし、そんなウンチク話より実物の布生地は、実に素晴らしく「しっかりしている」の代表の様な布生地です。
よくこの布生地を強度と言う面で褒めたたえられたりしています。「丈夫で長持ちするスーツをお求めならオススメの布生地」とか「何年着てもへこたれない」とか、なぜか強さを強調してる記事を多く見かけます。しかしこのカバートクロスの本当の良さは、違うところにあるとMICHELE&shinは考えます。写真を見てください。実にドレッシーでしょう? カバートクロスもナポリ職人の手にかかればこれ程ドレッシーになるお手本の様な仕上りです。そうなのです。ドレッシーなのに、野性的な表情が見せれる、これがカバートクロスの本当の良さなのです。
野性的な光沢にやられる
さらにこのカノニコ21μのカバートクロスは野性的な光沢が素晴らしいのいです。
この上品で野性味溢れる光沢感は他の布生地では中々味わえません。ザックリした表情なのに光沢感が出せるのはさすがカノニコカバートと言って良いでしょう。
紺のカバートクロスにして大正解です。
カバートクロスと言えばどうしてもグレーや茶系の色に行きがちですが今回作ったスーツはこんなネイビー色です。作ってみて思ったのですが、このネイビー色がナポリスーツにピッタリ。立体的な形を上手く表現してくれています。カノニコ21μカバートクロスでスーツならこんな紺がオススメです。
ここからは作品の紹介を写真でどうぞ。
カノニコ21μカバートクロスで作ったスーツです。
ラペルは13㎝とかなりワイドに作り、ラペルカットはベリードラインで。全てを曲線ラインでデザインしてるのがMICHELE&shinのナポリスタイルです。
このラペルカットは本当に綺麗にいきました。自信作です。
少し高い位置の胸バルカポケットがMICHELE&shinスタイルです。
ポケットフラップは6㎝。
袖口は本切羽の3つボタンなんて、ちょっとしたこだわりが。袖のここまでステッチがサルトリアのステッチです。
肩付けはマニカマッピーナで、綺麗です。
横からのラインです。上衿の高さから袖口にかけての柔らかなラインはMICHELE&shinの自慢の一つです。
ボタンホールは当然手縫いで。
パンツはベルトレスの2タック仕様で。ちょっと見にくくてごめんなさい。
今回はカノニコ21μカバートクロスの紺を使ったスーツの紹介でした。カバートクロスの魅力は強度じゃあないですよ、ドレッシーに野性的にです。是非参考にして下さい。