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新しいMICHELE&shinオリジナル芯材を作りに (2)

2023年08月20日

今回は、新しいMICHELE&shinオリジナル芯材を作りに行ったブログの2回目です。

前回のブログはナポリのサルトリアの芯材の大切さを説明しましたが、今回は具体的な打合せ内容を少し書きたいと思います。


この写真の黒いTシャツを着てるのが、この芯材工房の社長さんです。めちゃくちゃ頑固なおやじさんで、物作りの拘りは凄いものがあると喋ってて分かります。

まず、おやじさんから聞かれたのが、「ミケーレ、今まで芯材がダメだったのか?」でした。「いや、そんな事無いよ、ぜんぜん問題無いけど」と返すと、「そうか、それは良かったよ、心配してたんだ。今、MICHELE&shinに作ってる芯材は完全にナポリのサルトリア仕様で、日本に合うのかと心配で?」との事。どういうこと・・・?

「おやじさん、ナポリのサルトリア仕様と他の仕様の違いを具体的に説明して欲しいんだけど?」と聞くと、「分かった、説明してやるよ」と。


ナポリの気候から生まれる物がある。

まず案内されたのがこのバズタブ。

「ミケーレ、まずサルトリア毎に、打合せして作ったオリジナルの芯材を縫った後、ここのバスタブにナポリの水と少し秘密の薬剤を入れて、浸す。あく抜きと、柔らかさ、そして洗った時の事を考えて、この行程があるんだ」。

「そして次はこれを絞らず、外に天日干しするんだ。」

天日干ししてる写真です。

「ミケーレ、天日干しするのは、昔からの伝統で、昔クリーニングが無かった頃は、家で水洗いをしてた。だから、ここナポリの気候にあった、自然乾燥する事で形状を保つんだ。

この行程を今じゃあ、天日干しじゃあ無く、機械で乾燥させてる会社が多いけど、自然な天日干しが一番良い。時間と手前がかかるけどね。」と。

「ミケーレ、この行程を見て分かる通り、ナポリスーツはナポリの気候じゃあないとダメなんだ。本当は日本の気候には日本で乾燥させた方が俺は良いと思うんだ。日本の気候にうちの芯材合ってるのか?」と。「いや全く問題ないし、前に打合せして購入してる、芯材は素晴らしいよ。東京の有名紳士百貨店のバイヤーが、「この芯材は今まで触った事の無い程柔らかくて弾力がある。」と褒められた位良いよ」と。「そうかそれは良かったよ。」

と天日干ししてる、芯材をおもむろにに、洗濯干しから取ると、「これを次はプレスするんだ。」

この行程は完全に機械で。「ミケーレ、このプレスもサルトリア毎に、好みがある、大きく立体的に曲げるのが好きサルトリアとそうでないサルトリアと」

しかし、拘り過ぎでしょう?

ナポリには仲のいいサルトリアは多くいますが、いつも話してて、そんな拘ってる素振り一つ見せない感じです。いつも話すのはファミリーの話と女性の話だけ、なのにこそっと物作りには拘りがあるのです。、こんな拘りが彼らにとっては自然な事なのでしょう。そりゃあナポリスーツが世界を牽引するのが分かります。


一通り芯材の行程を教えてもらい打合せに

ここから新しいMICHELE&shinの芯材の打合せに。「おやじさん、今までより、更に軽い着心地を求めてる。そんな芯材をお願いしたい」と。「分かった、試作を作ろう。」さらに彼が「今、若い連中は、物を見に来ないで電話とネットで注文してきやがる。ナポリも少しづつ変わってるよ。」と少し寂しさを滲ませながら喋ってました。

最後の「日本のお客様に、ここの拘りを伝えてたいから、ブログ書いていいかな?」とい聞き、記念にパチリと。


最後に、この日、KITONが芯材を取りに来るという事で、その芯材もパチリ。


最後に、おやじさんが「今、イザ○アを、作るのを辞めた。あいつら、金額の話ばっかりして来るから、俺たちは金額じゃあ無いんだ。良いものを作るんだ」って。これおやじさんが話してた話なので、悪口じゃあないですよ。


もうすぐ試作が完成して来ます。更にグレードアップしたMICHELE&shinのスーツを楽しみにしといて下さい。


今回は長くなりましたが、芯材の話でした。