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夏だリネンだブライソンだ

2023年05月12日

夏が来ます。

夏はやっぱり麻でしょう。そんな夏に、こんな美しい茶の麻スーツで初夏の街を闊歩する姿を想像するだかでゾクゾクするのは僕だけでしょうか?

今回はそんな美しい麻スーツの紹介です。


MICHELE&shinの麻はSPENCEBRYSON


MICHELE&shinの麻はSPENCEBRYSON(スペンスブライソン)です。アイリッシュリネンの王様で、厚み、重さ、光沢、発色、どれをとっても、他の麻を凌駕しています。イタリアにも素晴らし麻を織ってるメーカーは沢山ありますが、基本の考え方が違う様に見えます。イタリアの麻はより薄く、よりしなやかで、光沢もあります。サラッと着る事を一番大切にしてる様に見えます。それに全く違うのが、アイリッシュリネンのSPENCEBRYSON(スペンスブライソン)です。厚く、ハリと腰があり、光沢も上品過ぎるくらいです。でもこれがスーツになると、豹変するのです。


MICHELE&shinを始めた頃、実はイタリアの麻で作る事が多かったのですが、ある時からこのSPENCEBRYSONの麻で作り出し、SPENCEBRYSONの魅力にどっぷりとつかりました。それ程SPENCEBRYSONのリネンは素晴らしのです。

今回作成して茶はSPENCEBRYSONの中でもMICHELE&shinが絶対オススメのTROPICAL。このTROPICALが良いんです。色の出方が最高なんです。


SPENCEBRYSONのTROPICALの最大の魅力は色の出方にあります。この色が本当に良いんです。僕はこの色の出方を「イタリアの歴史的建造物の窓枠を数百年上から上から塗った様な色の出方」と表現します。ただ綺麗では無く、歴史が感じられるのです。

実はこのSPENCEBRYSONのTROPICALを見て勝手に「この布生地は後染めだろうな」っておもってました。布生地を織った後から乗せた色の様に見えたからです。SPENCEBRYSONの麻には他のシリーズもあり、例えばTYRONやGINなどです。この布は先染めに見えます。

恥ずかしい話しですが、数年前、メーカーの人にドヤ顔で「このTROPICALの後染めの色の出方が本当に良いですね~、色の出方が良い!。」なんてホント、ドヤ顔で言ったら 「いや・・・このTROPICALも先染めなんですよ。」て、めっちゃ言い難くそうに凄く小声で言われました。相手もそーとう言いにくいかったでしょう。めちゃくちゃ恥ずかしいかっです。でも、イタリアで恥ずかしかったよりは全然優しいです。良いんです、勉強になったから。と自分に言い聞かせて・・・。


今年はコロナも終わったのでSPENCEBRYSONに行って来ます。

MICHELE&shinの麻はSPENCEBRYSONと偉そうに言ってますが、まだアイルランドの会社に行った事がありません。数年前に行く予定だったのですが、コロナで行けなくなってすでに数年です。お客様にはMICHELE&shinが直接行って、直接話して、感じ本当の事を書かないといけないと思っています。コピー&ペーストの情報が溢れてる時代だからこそ、この目で見てこの手で触ってが最も大切なのです。時代遅れの考え方ですが、そんな物つくりと情報発信は今後も心掛けて行きます。


さてここから作品を紹介します。

SPENCEBRYSONの茶で作ったシングルブレスト3つボタン段返りスーツです。

ラペル幅は10cm ゴージラインは7cmのミドルゴージ。ラペル幅は直線的なカットでシャープさを見せます。


マニカマッピーの肩付けです。

ボタンホール、フラワーホールは当然手縫いです。

ダブルステッチと胸バルカポケットです。最高のバランスでナポリスーツならダブルステッチは必須です。

良い味とはこんなのを言います。


チェンジポケットのデザインです。


袖は4つボタンの本切羽。オリジナルの本水牛ボタンはアクセントに黒で。

パンツも手縫いの味が大切です。

今回はSPENCEBRYSONの麻で作ったスーツの紹介でした。夏は麻です。ぜひ参考にして下さい。