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これデニムです。

2022年05月30日

これ、デニム生地で作りました。良い感じでしょう?なかなか無い感じの派手さです。

この生地は、4~5年ぐらい前だと思います、イタリア、プラートの布生地屋で出会ったのがきっかけでした。いつもの様に宝探しの様に布生地を探してたところ、高い棚の端からちょこっとこの布生地が見えました。「良い感じの布生地があるねー。」と無理を言って、高い棚の隠れてたのを引っ張り出して貰ったのですが出して見ると2mしかない事が分かるし、よく見ると固い固いデニム生地・・・・ヤバい・・・。クリスティアーノを見あげると、彫りの深い顔で「隠れてたのを無理して出したんだから買うよなー」的な圧力がかかります。しかし2mしかなくてこの厚みだと厳しいなーと思い、再度クリスティアーノを見上げると、さらに彫りが深くなってます。 「買います、いや買わせて下さい。汗」

そんな素晴らしい布生地です。


プラート布生地の特徴

プラートと聞いて、場所がパット出てくる人はかなりのイタリア通です。プラートはフィレンチェの隣町で、イタリアハイブランドの布生地と縫製の街と言える場所です。街の中心にはプラートの繊維博物館があったり繊維組合があったりと、イタリアで繊維産業の中心の一つです。そんなプラートの布生地問屋には、イタリア中のハイブランドに提供している布生地が集まります。ベーシックな紳士の布生地はビエッラ、イタリアらしい女性の布生地はプラートとイタリアでは言われています。そんなプラートだから見つかる、イタリアらしい布生地は布生地を探しててこれほど楽しい事はありません。

チョット列車の話をします。


MICHELE&shinが初めてイタリアに出て行ったのがこのプラートでした。初めは何も分からず、一緒に作ってくれるテーラーを探す日々でした。そんな日々の中、御褒美は日本食になります。しかしプラートに日本食はありません。イタリアの場合、ほとんどの田舎町に日本食は無いのが現状です。中国料理はどこに行ってもほとんどあります。中国人のタフさはさすがです。

そんな中、1週間に1回日本食を食べに、フィレンツェに行くのですが、さすが世界の観光地です、本当に駐車場代金が高い、そして道が混む。一般の車が入れない所もいっぱいあって、後日、カメラで撮っていて罰金が来ます。なのでプラートからフィレンチェまでは列車で行くようにしていました。

しかしこの列車が不思議で不思議で。。。切符を駅近のコーヒーショップで買うですが、何故だかいつも閉まってます。切符を買えず困っていると、イタリア人が「フィレンツェまでなら乗ってけよ」と。初めはドキドキしながら乗ってましたが、数回乗ると人間慣れて来ます。プラートの人はプラートからフィレンチェ迄の1駅区間はチケットのチェックが無いことを知っているのです。少しイタリア人になった気分でした。


そんな悪い大人の話はこれぐらいにして作品の紹介です。

デニム生地で作ったブルーチャックのジャケットです。

12㎝のワイドラペルでデザインしました

ゴージラインは5㎝のハイゴージで。ラペルカットは直線のカットで。

ミラネーゼスタイルのフラワーホールがMICHELE&shinスタイルです。

ハンドメイドはこれが必要です。

デニムの固い布生地なのにマニカマッピーナの肩付けにすることで柔らかな印象に。

アウトパッチポケットのデザインです。この軽く弧を描くラインがMICHELE&shinスタイルです。


本切羽4つボタンの袖口です。


今回はクリスティアーノの圧に負けて買ったデニム生地で作ったジャケットの紹介でした。

たまにはこんなのも着たくなります。是非参考にして下さい。