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PITTI UOMO 108 DAY4

2025年06月27日

今日はPitti Uomoも最終日。
我々も午後には移動です。今日は急遽予定を変更し、ミラノのサルトリアに向かいます。

Pitti Uomoの4日目の朝は、昨日までの喧騒が嘘のように静かで、ほとんど人がいません。
写真は午前10時の様子。3日目までなら、確実に会場のゴールデンタイムで、何百回と挨拶のハグを交わしている時間帯です。
こんな静かなPitti Uomoも良いものだなと思いながら、今日は世界中から出展されているブースをゆっくり回ります。

Pitti Uomoは本来、洋服やバッグ、それに付随する多種多様な商品を、メーカーとバイヤーが繋がる展示会です。
やはりイタリアのメーカーが多いですが、ここ数年は中国を筆頭に、アジアのメーカーも勢いを増しています。
中国のメーカーは、会場に"チャイナ館"を構える勢い。さすが大陸、スケールが違います。

各ブランドに宿る"コンセプト"

そんなPitti Uomoですが、ブースの商品をゆっくりと見られるのは、間違いなく4日目です。

実はここ最近まで、私はあまりブースの商品に興味がありませんでした。
その理由は、刺激がなかったからです。
見る商品すべてがどこかビジネスライクに感じていたのです。
もちろん、メーカーとバイヤーを繋ぐ場である以上、それは当然なのですが、どうしても会場に集まる世界中のファッション関係者やインスタグラマー、ファッショニスタたちの刺激的な着こなしのほうが、目を引いてしまうのです。

4日目の会場は本当に静かです。ブースの中も外も、ほとんど人がいません。
だからこそ、ゆっくりと商品を見て回れるようになりました。
3日目まででは、ゆっくり話すことなどまず不可能です。
そんな中、ブースでメーカーの方々とじっくり話すことで、大きな発見がありました。

それは、国によって商品の説明内容が大きく異なるということです。

私は日本人で、日本が大好きです。だから、アジアのブースは必ず回ります。
そこで聞いた、イタリアやヨーロッパのブランドの説明と、アジアのブランドの説明には明確な違いがありました。

ヨーロッパのブランドは、今季の商品のコンセプトブランドの哲学を中心に語ってくれます。
一方、アジアのブランドは、商品自体の物の良さ使い勝手の良さ、さらに価格を強調して説明します。

ヨーロッパでは「物が良い」のは当たり前であり、その上にある価値をどう伝えるかが重要視されているのです。

価値とは"作りの良さ"のその先にあるもの

どうしてもMICHELE & SHINも、お客様にスーツの作りの良さや機能面を説明してしまいます。
しかし、それだけを語っている時点で、まだまだなのだと痛感しました。

ブースを見ても、アジア(特に日本)の商品は本当に美しく、機能的です。
MICHELE & SHINも"作りの良さ"には絶対的な自信があります。
それでも、その先の価値――つまり、コンセプトや思想、美意識を伝えていかなければならないのです。

「商品自体の良さ」を語っているだけでは足りない。
それを深く理解したのが、今回のPitti Uomo 4日目でした。

食わず嫌いは良くありません。
ブースでじっくり話を聞いたことが、必ず次の服作りに活きてくると感じました。
次回のPitti Uomo 4日目も、各ブースを積極的に回って、各ブランドのコンセプトを聞くのが今から楽しみです。

ここからは、ブースの様子と4日目のスナップをどうぞ。

コロンブスの最上級ブランド「Boot Black」のブース。
毎回Pitti Uomoに出展し、紳士たちの靴を磨いています。

通訳のマリアは、気さくな"ママ"です。

今年初出展だというバッグブランド「ETIAM」。本当に美しいバッグでした。

この「TOKYO JAPAN」の文字を見ると、なぜかテンションが上がります。

帰り道で、Nabilにたまたま会いました。
「冬のスーツとコートも作ってね」とお願いされました。

MariniとNicoroにも偶然再会。
Nicoroは、MICHELE & SHINの今季のシアサッカーを着てくれていました。
「ミケーレ、次の冬もお願いね」と。嬉しい限りです。

車でミラノまで移動します。

こんな美しい景色を見ながらの移動に、次の服のアイデアがどこかで生まれそうな予感がします。

今回は「Pitti Uomo 108 Day 4」のブログでした。
次回のPitti Uomo 4日目も、今から楽しみです。