PITTI UOMO 108 DAY3

この時期、フィレンツェの朝は早く、5時過ぎには透き通るような青空が、いつものアパートメントの窓から見えます。長年の勘で、今日は暑くなりそうです。
写真のこの青が、いつものPitti Uomoの色。雲一つない青空が、今日も洋服好きをバッソ要塞まで運びます。
そんなPitti Uomoも今日で3日目。
海外からの来場者や、ミラノ・ファッションウィークに参加する紳士たちは、昨日すでにフィレンツェを切り上げてミラノに移動しています。
「今日も暑くなりそうだな」と何気なくテレビを見ていると、金曜日にイタリア鉄道の大規模なストライキがあるらしく、3日目までフィレンツェに滞在して、4日目の金曜日にミラノへ移動する人たちは大変そうです。
日本人や海外の関係者は、おそらくこの情報を知らないだろうと思い、SNSで共有します。するとすぐに「鉄道がストライキなの? 詳しい情報を教えてくれない?」という大量の返信が届きます。できる限りの情報を返信して、スーツに着替えます。
明日の金曜日、私もミラノに移動します。
私は車なので移動自体の心配はありませんが、少しの渋滞だけが気になります。
今回のミラノは、ミラノ・ファッションウィークではなく、ミラノのサルトリアからの招待による訪問です。
このミラノのサルトリアについては、また別の機会に書くとします。



そんな少しバタバタした朝を過ごして、会場に入ります。
Pitti Uomo 3日目の静けさ

Pitti Uomoも3日目になると、来場者がぐっと減って寂しい雰囲気になります。
感覚的には、来場者は1日目や2日目の約半分ほど。
人の「パワー」は不思議なものです。
会場から人が溢れかえる1日目・2日目には、全体に不思議なエネルギーが満ちています。
それが3日目になると、閑散とまではいかないものの、余裕のあるスペースと落ち着いた空気が会場を包みます。
ここに集まるファッション関係者の多くは、理屈抜きで服が好きな人たち。
彼らが放つ、何か不思議な「パワー」は、周囲の人々を自然と惹きつけます。
Pitti Uomoには、そうした特別な空気があります。
MICHELE & SHIN が刺激を受けたのは、「スーツ以上の着こなし」
今回、MICHELE & SHINが次のスーツ作りに刺激を受けたのは、「スーツ以上の着こなし」でした。
ともすると、スーツは堅苦しく、お洒落として楽しめないという概念がどこかで支配していることがあります。
しかしスーツは、本来、男を最高に美しく見せる服です。
いつ頃からか、「フォーマル」と「カジュアル」というカテゴリーが生まれました。
スーツ=フォーマルという固定観念は、もうMICHELE & SHINの服作りには存在しません。
スーツを「フォーマル」という枠に閉じ込めるのではなく、男をもっとも美しく見せる服という新しい概念として捉えています。
今回、そのことを再確認し、新たな刺激を受けたのが、Pitti Uomo 108でした。
ここからは、そんな刺激を受けたスナップを紹介します。




















































最後に
今回は「Pitti Uomo 108 Day 3」のブログでした。
スナップを見ればわかる通り、人には不思議なパワーがあります。
この「スーツ以上の着こなし」たちから、私たちは次の服作りのための大きなエネルギーをもらいました。
Day 3も、特別な一日でした。