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2000年の歴史と伝統、ESCORIAL(エスコリアル)とは?

2021年12月10日

MICHELE &shinではこのたび、かつては大手メゾンしか供給が許されなかった、門外不出の"ESCORIAL WOOL(エスコリアル/ウール) "を入手!!

2000年の歴史と伝統のある、ESCORIAL(エスコリアル)についてご紹介できればと思います。

・エスコリアルの歴史

ESCORIAL(エスコリアル)、この繊維は2000年に及ぶ、スペインの壮大な歴史の物語から始まります。

今から1000年程前(11世紀)、北アフリカ・モロッコのアトラス山脈に生息していた羊がスペインに送られることになりました。この羊が後の『ESCORIAL(エスコリアル)』の起源になっていきます。


 時は流れ、16世紀の初頭、スペイン王はマドリードの北西に修道院『エスコリアル』を建立し、王室専用にこの羊の育成し始め、"エスコリアル"と名付けました。この"エスコリアル"から取れるレア・ファイバーは、他のウール素材よりも特に秀でた3つの特性(軽さ・やわらかさ・伸縮性の良さ)を持ち合わせた素晴らしい素材でした。
 その頃、富を特権にした貴族達がこぞって優れた物を求め合い、この"エスコリアル"の神秘さ、優雅さ、ソフトな手触りに魅せられた貴族の間では不可欠な素材となり、気位の高い彼らにとってそれを身にまとうことが彼らのステータスの表れとなりました。


 しかしナポレオンの侵攻により"エスコリアル"は絶滅の危機に瀕します。結果として絶滅の難は逃れることになるのですが、それは1765年スペイン王チャールズ3世が、彼の従兄弟であるサクソニー(ドイツ王)にその羊達をギフトとして進呈したという事実があったからなのです。

スペインは"ナポレオン戦争"で敗退し、この羊達は全滅の道をたどっていきます。しかし奇跡的にドイツ王サクソニーに贈呈された羊達だけが生き残り、その後スコットランド人女性エリザに受け継がれていくことになります。
 1829年エリザは、100匹の羊達をオーストラリアに運び、タスマニアのケースワースで飼育を始めます。その後、洗練されトップブリーダー達によってニュージーランド・オーストラリアで育成され、今日に至っています。
 尚、現在、純血のまま飼育されているのは、ニュージーランドの5万頭のみとなっています。世界の現存する羊の頭数で希少性を説明しますと、全体の1%にも満たない希少な羊です。

エスコリアルという、他に羊には代えがたい、最もきめ細かく、ソフトで贅沢な繊維の羊は戦争や革命、そして経済の激変の難局にも奇跡的に生き抜き、エスコリアルという「奇跡の羊という遺産」と言ってもいいであろう純血種の羊は、今も小さな家畜家の元で、血統の純粋さを守り続け飼育されています。


 またこれらの羊は、身体が小さいのが特徴で、普通の羊の約1/3から半分大きさしかありません。繁殖能力も低く、出生率は年一頭の母羊から0.6頭のみにとどまります。さらに原毛がカシミアの半分の軽さのため収穫量が少く、希少な素材となっています。
 非常に繊細な原毛の為、製品化へのプロセスは長年を要しましたが、2002年にようやく世界で最も細番手の羊毛として認定されるに至りました。

このエスコリアルのエンブレムは世界でも最も貴重なマークとして認知されています。

この歴史が全ての繊維の中でも最も希少な繊維であり、王家の繊維と言われる物語なのです。


・そんなエスコリアルの布生地を、繊維問屋で発見

今イタリアに行けない日が続き、日本の布生地問屋さんや商社をよく訪問しています。日本の布生地問屋さんは100年近くやってるところが多く、しかし本当に素晴らしい布生地が隠れています。

そんな問屋で見つけたのがこの奇跡のエスコリアル。

最も特筆すべきは何と言ってもその生地の風合いです。 "エスコリアル"の生地を初めて手にされた方は、「これが本当にウール100%の生地なの?」ときっとその生地のしなやかさに驚かれることと思います。

どの布生地も素晴らしいの一言、イタリア製フルオーダースーツとの相性は間違いないでしょう。 まさに一生モノです。

是非この機会に2000年の歴史と伝統のある、ESCORIAL(エスコリアル)を。

MICHELE&shin FULL HAND LABEL ¥418,000-税込み