茶のヘリンボーンジャケット色気

茶のヘリンボーンジャケットの完成です。イタリアらしい、上品で色気のあるジャケットに完成しました。少し紹介します。

イタリアのビスポークジャケット、特にナポリジャケット大きな特徴はこのマニカカミーチャの肩付けでしょう。

実はMICHELE＆shinのナポリの職人は、日本でよく「マニカカミーチャ」と言われるこの肩付けをマニカカミーチャとは言いません。イタリア現地の職人は「マニカマッピーナ」と呼びます。マニカカミーチャでも通じますが、ナポリの職人はマニかマッピーナと言います。

いつの頃からか日本では、このナポリ独特の柔らかな付け方を、マニカカミーチャと言われるようになりました。イタリア全土だとマニカカミーチャでも間違ってはないのですが、ナポリ語ではマニカマッピーナです。

ついでに、ナポリ人から、いや、世界中で尊敬されているアットリーニと言うメーカーがありますが、ここの肩付けは独特で、マニカカミーチャとは言わず「マニカ　ズラータ」付け、と言います。アットリーニの肩付けは、MICHELE＆shinなどナポリ郊外で作られる、写真の様な肩付けとは違い、ここまで寄せてない感じです。僕はこれぐらい柔らかく、付いてる肩が好きですけどね。

どうですか？この流れるような自然にドレープ感のある袖付け。ナポリジャケットはこうでないといけません。

マニカカミーチャの肩付けは、パットやゆき綿がなくて軽いから腕が動きやすい、という記事をよく見かけます。はたしてそうなのでしょうか？最近、MICHELE＆shinではダブルロープドショルダーという肩付けもよく作ります。2年前にイタリアのpittiで知り合った、サルトリアの人が着てたスーツの肩付けに一目惚れして、この肩を教えてもらいました。

ダブルロープドは、通常ロープドショルダーで使われる倍以上のゆき綿を先端に詰めて作成されることから、ダブルロープドと言われています。着て思ったのですが、このダブルロープドの肩もナポリの職人が作ると本当に動きやすい。MICHELE＆shinが得意とする、マニカマッピーは、肩に張り付いて動きやすいイメージで、ダブルロープドは空間で動きやすいのイメージです。

それぞれ良さがあるのは分かりますが、共通して言えるのは、肩周りの着心地の良さには職人の確かな技術が必要だと言うことです。ただ、パットを無くして、寄せて作っただけでは、あのイタリアジャケットの包み込まれる様な着心地は出ないのです。

本物のマニカカミーチャの着心地はイタリアの熟練の職人だからこそ作れる物なのです。

さてここからは写真で、美しい茶のヘリンボーンジャケットをどうぞ。

シングル　ナポリらし3つボタン段返りのジャケットです。

ラペルは10㎝、ゴージラインは6㎝　美しいラペルの返りを見てください。

ナポリジャケットはこのバルカポケットで。幅3.5㎝がナポリです。綺麗な弧を描くラインが特徴です。

ボタンホールはナポリスタイルの手縫いで。

フラワーホールは　ミラネーゼスタイルの手縫い。オーダーするなら是非ともやりたいポイントです。

曲線を描くアウトポケットです。オススメなデザインでジャケット全体に柔らかさを与えます。

最後にナポリ職人渾身のマニカマッピーナの肩付けです。

今回はMICHELE＆shinオリジナルファブリックで作った、茶のヘリンボーンジャケットの紹介でした。

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