micheleandshinblog

本物のクラッシックナポリへの道(2)

2024年06月01日

重ねボタン、いや1つボタンです


ナポリスーツの歴史ブログの 2 回目は袖口のボタンの話です。今まで MICHELE&shin のスーツ袖口のボタンは「重ね 4 つボタンか 3 つボタンか重ね無しの 4 つボタンか 3 つボタン」でした。しかしどうも違うみたいなのです。

「ミケーレ・・・日本のオーダーは袖口にボタン沢山付けるよな。更に重ねたりして?何故なんだ?」「クラッシックな本当のナポリスーツは1つボタンだよ。」と。そうなんだ!びっくりです。たまにデザイナーブランドなんかで、袖口が一つボタンのは見たことがありますが、ナポリのサルトリアではあまり見たことがありません。

今、現地、ナポリの評判で最高のクオリティーのナポリスーツを作る事で有名なピロッテイに遊びに行った時も 4 つボタンか 3 つボタンを重ねてました。確かダルクォーレのオヤジもそうだったはずです。なのにクラッシックナポリのスーツは袖一つボタンらしいのです。確かにカッコイイけど・・・・。

そこでその理由を聞いて見る事にしました。

ボタンホールはボタンホール屋で縫うのがナポリ流。だから1つボタンになった。

MICHELE&shin があるナポリ郊外では、ボタンホールは基本外注になります。ボタンホールはを縫うだけの工房があり、そこで地元のお母さんがボタンホールだけを縫ってます。

これが看板も何も出てない普通の家で、地元のサルトリアしか絶対分かりません。昔の映画に出てくる様な光景で、「ミケーレ・・・私にトマトスパゲティを作らしたらボタンホールより上手だよ(笑)」なんて冗談を言いながら、少しふくよかなイタリアンママが、みんなで仲良く縫ってくれます。どうしても急ぐ時は、電話すると直接工房に来てくれて縫ってくれたりもします。基本、大きな工場等は自社でボタンホールの縫子を雇ってますが、小さな工房のサルトリアはボタンホール屋に持ち込んで縫ってもらうのです。

残念な事にこのボタンホール工房の写真がないのです。今度現場の写真を撮っときますね。

だから1つボタンになった。

そこで聞いた話が、「ボタンホールを縫ってもらう金額は、当然だけどボタンホールの数で決まるんだ。

だから少ない方が安くすむだろう?」「昔からナポリは貧しんだ。分かるだろ?ボタンを多く付けてるのは、お金持ちなんだ。」と・・・そう言う事だったんです。

「1つボタンを見ると嬉しくなるよ。本当のナポリの昔を知ってるなってね。」と。

本当にクラッシックナポリのジャケットの袖口のボタンは1つボタンなのです。

今回は袖口のボタンの話でした。

本当のクラッシックナポリのスーツは1つボタンです。是非参考にして下さい。