今年もPIACENZAのカシミアはチョット違った。
MICHELE&shinのカシミアと言えば間違いなくPIACENZA。今回そんなPIACENZAの茶のアルスターコートが完成しました。毎年思うのですが、PIACENZAのカシミアはチョット違います。今回はそんな素晴らしコートを紹介します。
実はMICHELE&shinオリジナルのカシミアは、ルイジコロンボのカシミアです。ルイジコロンボはMICHELE&shinが直接買い付けが出来る、唯一のカシミアメーカーの一つでCloth MICHELE&shinでの扱いとなり、かなりリーズナブルな価格設定(イタリア本国価格と全く同じ価格)で販売出来ていると自身を持っている布生地です。
このルイジコロンボカシミアは昔エルメスに採用されてたと言われるほど、クオリティーの高いカシミアなのですが、しかしイタリア人に「イタリアで最高級のカシミアと言えば何?」と聞いたとします。そうすると帰ってくる答えは「イタリアで最高のカシミアと言えば間違いなくPIACENZA(ピアツエンツア)」と返事が帰ってきます。
え・・・?イタリアのカシミアと言えばロロピアーナじゃあないの?との声が聞こえてきそうです。しかしイタリア本国、特に北部では、確実に最高のカシミアの称号はPIACENZAに軍配が上がります。
多額の費用払い、ブランドイメージ定着させてるメーカーより、洋服の長い歴史のイタリア人の審美眼から出る、本当に素晴らしのものに価値を見出す代表がこのPIACENZAなのです。
先ほども書きましたが、本当はPIACENZAのカシミアをCloth MICHELE&shinのオリジナルにしたいのですが、イタリアでPIAZENZAから直接買い付ける事は本当に難しく、まだ出来ずにいます。なので今は商社経由で布生地を購入しています。早くPIAZENZAもオリジナルで扱える様に頑張ります。
ちなみにナポリでPIAZENZAのカシミアを買うより、日本で買うほうが金額は圧倒的に安いです。不思議な現象だと思でしょう?でもこれ本当は北部のビエッラは日本より安く購入出来ますが、ナポリでは日本より布生地は高いのです。
これはナポリのカチョッポリです。ナポリのテーラーは高級な布生地はだいたいここカチョッポリから購入します。カチョッポリは南部の布生地問屋と言った意味合いが強いですね。
PIAZENZAカシミア独特なあの表情の秘密。
カシミアの布生地で間違いなく他の布生地と違うのが、あの独特な「ぬめり感」と「うねりの表情」です。特にカシミアのうねりの表情はPIACENZAが他のメーカーを一つ上を行ってる印象です。
このうねりの表情はカシミア自体のものではなく、後工程で出来るものです。
PIAZENZAのブランドタグの頭に付いてる模様があるのが分かると思います。
これは、アザミの花の模様です。カシミア独特なあのうねる表情はこのアザミで表面を加工して作られます。今だPIAZENZAは古くから伝統を守り、この行程を天然のアザミでの加工にこだわっていると聞きます。あの一流のうねる表情は伝統の工法から生まれるのです。
ちなみに、この話は布生地商社の担当から聞いた話で、実際に僕が見たわけではないので、話半分ぐらいに聞いて下さい(笑)
カシミアをお客様に勧めながら、実はまだ一度もカシミアを作ってるところを見たことがないのです。一度イタリアで本当に作られているところを見に行ってきます。
さてここから今回のPIACENZAカシミアで作った茶のアルスターコートの紹介です。
ベーシックなアルスターコート。美しい。
手縫いのダブルステッチで一発でナポリの手縫いだと分かります。
MICHELE&shinは基本ダブルのディテールです。フラワーホールもダブルで。
マニカマッピーナで柔らかく丸くが基本です。
アルスターコートはこのポストマンポケットです。
タンナッフの袖もアルスターコートの基本のデザインディテールです。
コートは後ろ姿です。最高の仕上がりです。
今回はPIACENZA茶のカシミアで作ったアルスターコートの紹介でした。
やっぱりカシミアは良いですね。ぜひ参考にして下さい。