ジャケットは縦のラインが必用です。
「今からのジャケットは縦のラインが必用です。」と言っても、写真の様なストライプの事ではありません。シルエットの事です。
ここしばらく、世界的に紳士のスーツのシルエットデザインは、「細く、短く」のスポーテーなデザインが主流でした。ジャケットもパンツも細く、短くです。しかしここに来て、大きくシルエットデザインが変わりつつあります、流行とは不思議なもので、暫く流行ると、すたり、また流行るとすたる、この繰り返しです。
よく御客様から「コンサバティブで流行に関係ない物が作りたい」との話を伺いますが、残念ながら「洋服は流行から完全に関係ないものは出来ない」とMICHELE&shinは考えます。特に紳士のスーツは、大きな形は決まっている事から、間違いなく時代と共に「シルエットデザインや細部の形大きさ」が新しい流行の流れと共に変わります。
10年刻みで変わる紳士の流行
紳士のスーツやジャケットのデザインは約10年刻みで変わっていきます。1950年代60年代70年代・・・・今のデザインと。
スーツに流行は無いと考えてる紳士は注意です。美しい女性は、紳士のそんなところを見ています。あまり張り切り過ぎて、最新流行を追っかけ、ハイブランドのロゴバッチリも少し恥ずかしいですが、昔のヨレヨレスーツで「それいつのスーツ?・・・・」はもっと恥ずかしい。
紳士のスーツやジャケットも必ず流行があります。洋服屋の「一生モノ」の言葉に騙されないように注意ですよ。
今からのジャケットは縦のラインで、きちっとお尻が隠れる長さが必須です。
今、イタリアでは紳士の流行が変わり、数年が経ちます。短く 細くのスポーテーなシルエットデザインから、長く、余裕のあるラグジュアリーなシルエットデザインにです。
そのシルエットデザインを分かりやすく解説すると、こんな感じのデザインです。
縦の長さが少し長いのが分かると思います。きちっとお尻が隠れる長さです。今からの主流はこの縦のラインを強調するデザインになります。
まだ短い丈のジャケットを作られてる方は、騙されたと思ってこのデザインにして下さい。写真を見ただけでも、カッコよさが伝わります。縦のラインが出ることで、スタイルが良く見え、大人の色気が出ます。まさにラグジュアリースーツになるのです。
今回の作品は、そんな今からのスーツデザインが生きる作品で、ロロ・ピアーナ・オーストラリスで作つた傑作です。ここから写真で紹介させて下さい。
MICHELE&shinの柔らかい仕立てに間違いない、ロロ・ピアーナオーストラリスのグレーのストライプのスーツです。ダブルブレスト、6つボタン2つ掛け。アウトパッチポケットが大人の色気を演出しています。
12㎝のワイドラペルも縦のラインのシルエットデザインのおかげで、美しい男らしい形に見えます。ストレートラインのラペルカットがシャープなイメージを。
イタリア職人こだわり上衿裏の表布です。見えない所に本当の洒落者のこだわりがあります。
ミラネーゼスタイルの手縫いのフラワーホールです。手縫いのシングルステッチも味があります。
本水牛の4つボタン本切羽です。当然袖のボタンホールも手縫いです。
マニカマッピーナの肩付けです。柔らかく美しい。
弧を描くアウトパッチポケットのデザインです。MICHELE&shinオリジナルのデザインポイントです
パンツはアウト2タック、ベルトレス。
MICHELE&shinのパンツと言えばこのディテールです。
今回はロロ・ピアーナオーストラリスで作ってた、今からのシルエットデザインのスーツの紹介でした。間違いなく今から、長くラグジュアリーなスーツデザインです。是非参考に。