イタリアの愛を感じた瞬間でした。(2)
2年半ぶりにイタリア工房に帰った話の2回目です。
久しぶりに工房に着くと、いつもの様に職人がハグとほっぺにチュチュ。不思議なもので、イタリア式の挨拶をすると、相手が感じれます。体と体のダイレクトなスキンシップは言葉を超えたものがあります。そんな挨拶の後、僕としたらまず「工房を見たい」ってなります。そりゃあ2年半見てないのです。でもここでアクシデント発生です。職人から「ミケーレ、腹減ってるだろう? まずは食事だ!!打合せは後でゆっくりしたら良いじないか」と。
おもてなしとは違うファミリーの愛がここにはある。
僕としたら、まずは工房を見たいのですが、まずは彼らからの食事の誘いに乗ることに。実はそれには理由があります。それは彼らからの食事の誘いは、日本で言う「おもてなし」ではない「ファミリーの愛」を感じ取れたからです。この感じをどこかで感じたなと思ったら、実家に帰った時、「あなたの好きなの冷蔵庫に入ってるから食べなさいよ。」みたいな、少しお節介でめんどくさいな~、のあの感じなのです。この感じがナポリです。そりゃあまずは食事に行かないとです。
いつも彼らとの食事は地獄です。
イタリア人との食事、特にナポリ人との食事は地獄です。それは僕の胃袋の3倍ぐらい食わせられそうになるからです。僕は奴らとの食事を拷問と言ってます。
レストランに行く迄、「また拷問のは始まりか~」と悲しい気持ちで移動していると。「ミケーレ元気ないね~、さすがに疲れてるんだな、早く食事して元気になれよ」と。違うんだよな~と思いながらレストランに到着です。
レストランでは、いつもの様に、コッテリイタリアンが出てくる出てくる。暫く食べてもう限界です。「お腹いっぱいだから、もう頼むな・・・・」と言うと、安いワインをがぶ飲みしながら、「いいね~ミケーレのその、もう食べれないから頼むな!が聞きたかったよ~」「3年ぶりに聞けて安心した」なんて言いやがります。まーナポリのめんどくさいファミリー愛だから、しょうがないか?
拷問が終わったところで、工房に帰る事に。
日本では考えられませんが、イタリアの田舎は、食事して軽くワインを飲んで運転は結構多いと思います。内蔵が違います、内蔵が。
工房に帰ったらまたアクシデントが。
工房に帰って、ここから打合せと思いきや、「ミケーレ、疲れてる様だから今日はホテルで、ゆっくりしろ。仕事は明日ゆっくりしたらいいじゃないか?、今からホテル取るぞ」と。疲れてるのはお前らの拷問のせいなんだけどな~と思いながら、このテンションでは良い打ち合わせが出来そうにないので、彼らの言う通りに。
郷に入っては郷に従え。ここは2年半ぶりのナポリです。
ホテルに入り、お腹いっぱいで気持ち悪~と思いながら、ベッドから天井を見上げますが、変に勘ぐります。「何か俺に見せたくないものがあるのかな?」とか「絶対何かあるぞ?」とか、考えるとなかなか寝付けません。今回のワインは効きました。「よし、明日ゆっくり打ち合わせして、じっくり拷問のお返ししてやる」と思いながらベットに入りました。
今回も長くなったのでここまでです。
次は、工房に帰った3回目です。次は、何故ナポリの服が、人温かく味があるのかの秘密を再認識した話です。ぜひ次も読んで下さい。ナポリ服の秘密が次にあります。