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ダブルステッチでナポリジャケットになる。

2022年01月25日

1900年代初頭のイタリア、ナポリは、フランスやイギリス人の富裕層がバカンス楽しむ場所だったと言われています。そんなナポリですが、イギリスやフランスと気候が違う事でバカンスをお洒落に楽しむ為に、今のナポリのサルトリアに代表される、どこか柔らかなジャケットやスーツが完成したと言われます。

実際、私がナポリ近郊にいる感覚からすると、そこまで気候は違うかな?って感じですが^^;...

イタリアからフランスやイギリスは日本で言うLCCの航空会社がけっこう飛んでおり、当時はイギリスも同じEU圏内ということで割と気軽にいけます。

ちなみにヨーロッパのLCCで超有名なのがライアンエアー。乗客は荷物扱いです。(笑)でも金額は死ぬほど安い。ローマからロンドンだと当時2500円ぐらいだった記憶です。でも荷物扱いなので注意を。

日本の優秀で親切なエアラインや空港職員とは全く違って荷物のチェックインから搭乗手続きまで全て自分で行い、事前にネットでの申告や記載が無いと罰金です。本当に罰金って感じです。普通、日本の感覚だったら追加料金って感じですが、なぜか罰金なのです。よく向こうのサイトに「地獄のエアライン、ライアンエアー」なんて書かれています。でも安いから使っちゃうんですけどね。。英語かイタリア語がある程度読めない方にはちょっとハードル高いかもです。


さてそんな話はいいんです。実際、ナポリにいる時に、たまにフランスやイギリスに行きました。そんな経験からするとそんなに気候が違うかな?って感じです。確かに冬はフランスもイギリスの方が寒い印象ですが、ナポリも冬はダウンジャケットが必要なくらい寒いです。よく他のサイトのブログに、イギリスとナポリも気候の違いから、ナポリスーツやナポリジャケットが生まれたみたいな事を書いていますが、僕の感覚からすると気候ではなく、「イタリア人の美的感覚から、時代に合った今でも通用するスーツやジャケットデザインが生まれた」と思います。

そんなイタリアを代表するナポリスーツやナポリジャケットのデザインの基礎を作ったと言われるのがビンチェンツォ・アットリーニです。今は世界的なブランドとなったチェザレ・アットリーニの父である、ビンチェンツォ・アットリーニはその素晴らしい創造力で今のナポリスーツを創ったのです。


ダブルステッチをハードからラグジュアリーにした功績

本来ダブルステッチは、2本の糸を並列で縫うことで、洋服を補強の意味が強いディテールでした。確かにジーンズなど、本来作業着として、デザインされたもののディテールとした見られます。しかし、このダブルステッチを補強のディテールからラグジュアリーにしたのが、ビンチェンツォ・アットリーニに代表される、ナポリのサルトリアです。

一つ一つ違う工芸品の様なたたずまいを見せる、手縫いのダブルステッチです。


そんなナポリを代表するイタリアの審美眼が本来補強の意味合いが強かった、ダブルステッチを、ラグジュアリーなディテールに昇華させました。


「~の様に見えるが」いつから日本を席捲してのでしょうか?

職人が一針一針入れる手縫いのダブルステッチは、ピシットした作業着スーツの工業製品とは全く違う、手作業の工芸品のたたずまいを見せます。

手縫いの様に見せるミシンで入れるAMFステッチとは全く違います。AMFステッチには出せない味が手縫いのステッチにはあります。いつごろから、「~の様に見える」が日本中を席捲したのでしょうか?

今は本物が求められる時代です。


さて今回はダブルステッチが魅力的なネイビージャケットの完成です。少し紹介を。


MICHELE&shinオリジナルファブリックwool100%使用のダブルジャケットです。

ワイドラペル、アウトパッチポケットが特徴的。

12㎝のワイドラペル ハイゴージが綺麗です。


ダブルステッチがジャケットにイタリアナポリの香りを

マニカマッピーナの肩付けです。MICHELE&shinならこの肩付けです。


本切羽4つボタン重ねの袖口です。

今回はダブルステッチが美しいナポリジャケットの紹介でした。MICHELE&shinのステッチはダブルステッチです。ぜひ参考に。